阿原屋

あばらや

★★★

『馬鹿と嘘の弓』森博嗣

書店でぶらぶらと新刊を眺めていたら、森博嗣がまた新作小説を出しているではないですか。しかも講談社ノベルス。表紙の裏に書かれてあるあらすじを読んで、「なるほど『ゾラ・一撃・さようなら』みたいな設定はオーソドックスな私立探偵モノかな?」と思っ…

『メインテーマは殺人』アンソニー・ホロヴィッツ

◆感想 資産家の老婦人が葬儀社を訪れ、自らの葬儀の手配を済ませたまさにその日のうちに、彼女が何者かに殺害されてしまうという事件が物語の起点となっている。天才肌だが偏屈な性格であり、今はロンドン警視庁の顧問をしている元刑事のホーソーン(探偵役…

『詐欺師は天使の顔をして』斜線堂有紀

◆感想 霊能力者の子規冴昼はそのカリスマ性と神秘的な霊媒能力で一世を風靡していた。もちろん、テレビ番組などで彼が創出する奇跡はすべて演出で、そのお膳立てはマネージャーの呉塚要が担当していた。二人は唯一無二のパートナーとして、世間を相手に霊能…

『犯人当てアンソロジー 気分は名探偵』

◆各感想 有栖川有栖——『ガラスの檻の殺人』 人気の少ない四つ辻で発生した殺人。東西南北それぞれの道の先は証人によって監視されており、通報があって警察が駆けつけるまでに通り抜けていった者はいない。 いわゆる広義の密室状況での犯行で、凶器の在り処…